ゲイの僕がカミングアウトしない理由〜カミングアウトすることすべてが正しいわけじゃない〜

日に日に日本でも同性愛者への理解が深まり、時代がどんどん進んでいるように感じます。先日報道でも「同性婚を認めないのは「違憲」　札幌地裁が初の判断」というニュースがありましたね。

そんな中でも僕が家族にも友人にもゲイということをカミングアウトしない理由についてまとめました。

カミングアウトはしなくても良いと思っている理由

ゲイリーマンの僕がゲイであることを家族などにもカミングアウトしなくて良いと思った理由は大きく3つあります。

普通の家族なら両親や兄弟から結婚の話や交際相手について聞かれることが多いし、話題になることが多いと思います。しかし、僕の家族は僕に対し、結婚や交際相手の話をいつしかしなくなっていました。

僕の勝手な妄想ですが、家族のみんなは僕がゲイだと薄々感じながらもそこに触れないようにしているのではないかなって思いました。本人たちが聞いてこないなら知りたくもないのかと思って自分から話さないという理由です。

世の中の物事はすべてに白黒つけなくても良いと墨は思っています。すべてが正義と悪では判断できないし、正論だけが正しいというわけでもない。だからこそ多様性が認められると感じています。

例えば両親に1%でも、ゲイでなくノンケとして普通に結婚して子どもを持ってくれたら嬉しいという気持ちがあればそれを壊すのも僕は悪いと思っているのでここをグレーにしておこうと思ったからです。

ゲイであることを家族や知人にカミングアウトしたとき、聞かされた相手は知らなかった場合、とても気を遣うようになることもあると思います。

同情したり、なにか腫れ物に触るようになったり…。もちろん、そのまま受け入れるような人も居ますが少数かと思います。しかし、当の本人である僕はおそらくスッキリして開放されるんだと思います。

そこに僕は違和感を感じているからです。すっきりするのはあくまで自分だけで、聞かされた両親や家族はさらに悩むことも多くなるのでは、という不安もあるからです。

カミングアウトをしないことによるデメリットはこれももちろん人それぞれかと思います。ゲイの多くは「家族に嘘をついているみたい」「本音で話したい」「後ろめたい気持ちがある」というようなことが多く挙げられます。

しかし、いくら家族であっても性的趣向まですべて話す必要はあるんでしょうか。人は皆、隠していることや嘘が必ずあると思います。僕はその嘘が相手の気遣いであるなら必要な嘘だと思っています。

ここまで話すとハスキーさんはカミングアウトに反対なんですか？と聞かれますが、僕は結論からいうと「どっちでも良い」と思っています。

「カミングアウトはすべき」「カミングアウトは良いもの」という雰囲気がなんとなく違和感を感じているだけで、本人がデメリットやメリットを踏まえた上でゲイであることをカミングアウトしたいなら本人の意思を僕は尊重したいと思っています。

ただ言えるのは性的趣向が違うからといってそれが生きていて人と関わる上で何の障害もないと思っています。仕事をしていても、テレビの話題をしていてもそれがなにか障壁として立ちはだかることは少ないんじゃないでしょうか。

僕はこのカミングアウトという言葉にさえ少し疑問があります。将来的には「隠す必要」がなくなり、「カミングアウト」しないといけないという世の中ではなく好きな食べ物や、好きな映画を聞くような感覚で性的趣向も多様性が当たり前になれば良いなって思っています。

僕が例えば年老いてる頃に、世界中でゲイもレズビアンも、すべてのLGBTQの人が特に特殊なものではなく、逆にLGBTQというくくりもなくなっているような世界になっていたら良いなって思っています。